高齢者の「コショク」と「共食」
2024年05月01日
高齢者の「コショク」と「共食」
先日、友人がこぼした悩み話。闘病していた友人の母親が入院か在宅かの状況になり、コロナ過の入院だと面会できないからと、在宅で訪問医療・看護を選択しました。寝たきりの母親の介護を父親がしていました。その後母親が亡くなり今度は父様が、孤食・孤立していると心配し悩んでいました。
友人が地域のレクリエーションを調べ、参加を勧めてみても拒否し母親が存命のときは栄養バランスを考えた介護食を作っていたという父親が、一人になると食事を抜いて偏った食生活になったようで「孤食」により体調も優れず、人とのコミュニケーションを拒む傾向がみられ、主張が激しくなり、ますます孤立しているそうです。人と関わるためにもコミュニケーションの場としても「コショク」を改善する方法はないかと調べたところ、
実に様々な「コショク」があることがわかりました。
◎「コショク」
「孤食」「個食」「固食」「小食」「粉食」「濃食」「戸食」「虚食」「子食」
これらの言葉は全て「コショク」と読みますが、意味はそれぞれ異なります。
① 「孤食」 家族が不在等で食事をひとりで食べること
② 「個食」 家族がそれぞれ自分の好きな物を食べること
③ 「固食」 自分の好きな決まった物しか食べないこと
④ 「小食」 いつも食欲がなく食べる量も少ないこと
⑤ 「粉食」 粉製品(パン・麺類など)を主食として好んで食べること
⑥ 「濃食」 味の濃いものを好んで食べること
⑦ 「戸食」 外食ばかりの食事
⑧ 「虚食」 朝、食欲がなく何も食べないこと
⑨ 「子食」 子供だけで食べること
今から20数年前に、テレビ放送で子供だけで食事をとる「孤食・子食」が問題視されるようになり、弊害として栄養面からと精神発達面からの問題があり、それらは食との関わりが大きいことが指摘されていました。 現在では、高齢者の「孤食」も様々な問題点が考えられます。また、家族そろっての食事においても、家族皆が別々のものを食べる「個食」で個人の好みを尊重した食べ方という見方もできますが、同じものを食べるという食の共有感が生まれないと指摘されていたようです。
このように現代の食生活においても、いろいろと問題視されている「コショク」の解消には食事面だけではなく人と人とのコミュニケーションづくりが重要と考えられます。
ちなみに私は「濃食」「子食」以外は、思い当たる友人、知人がいます。皆様はどうでしょうか。誰か知り合いがこのような「コショク」していませんか?
◎「共食」
「コショク」ではない食事は、何かというと「共食」だそうです。
共食とは家族や友人など誰かと一緒に食事をすることです。共食により規則正しい食生活や健康な食生活につながりやすいようです。
また、家族で食卓を囲むことは、協調性や社会性を育て、子供にはしつけの場にもなり、生活習慣病や偏食防止にもつながります。せめて、一日一食は誰かと食卓を囲みコミュニケーションを深めたいものです。食を通し、家族や仲間、さらには地域を含めた心のつながりを持てることも大切なことです。
◎高齢者を共食へ
高齢化は世界規模で進行しており日本では人口の28.8%を65歳以上が占めています